記事: アメリカ生活で再発見した麹の魅力
アメリカ生活で再発見した麹の魅力
はじめまして。
麹を使った発酵の料理教室を主宰しています、PPのまゆこです。
この度7年のアメリカ生活を経て帰国することになりました。
現地でも麹を使った暮らしを続けてきた経験から、今回は海外生活の中で改めて感じた麹の魅力についてお話ししたいと思います。
日本には昔から受け継がれてきた発酵調味料が数多くあります。醤油、味噌、みりん、酒、酢など、私たちはそれらを特別なものではなく、日々の食卓で当たり前のように使っています。今や塩麹や甘酒も簡単にスーパーで手に入ります。
海外での生活が決まり、特に心配だったのが、毎日の料理に欠かせない麹のことでした。
当時の私にとって、麹はなくてはならない存在だったのです。現地で手に入らなかったら困ると思い、渡米前に麹づくりを学んだほどです。
ところがニューヨークの日系スーパーに行ってみると、そこには当たり前のように麹が並んでいました。日本から輸入された麹だけではなく、大きくローマ字でKOJIと書かれた麹を見つけたときは、つい携帯で写真を撮ってしまうほどでした。
和食屋さんでは「SHIOKOJI karaage」がメニューに載っていたり、日本を離れたら麹のある暮らしは難しくなると思っていた私にとって、それは嬉しい驚きでした。
海外生活中も我が家は和食中心でしたが、日本のように食材がそろうわけではありません。そんな中でも麹調味料は大活躍でした。
たとえば薄切り肉が手に入りにくいアメリカでは、塊肉を塩麹に漬けてオーブンで焼くことがよくありました。
また、ポタージュやスープの味付けに塩麹を使うと、それだけで味が決まります。
パンケーキには甘酒を入れたり、サラダのドレッシングにも塩麹や甘酒が欠かせませんでした。
ホームパーティーも増えて、事前に作っておける便利な副菜としてよく作っていたのが、発酵マリネ。例えばパプリカを焼いて塩麹とバルサミコ酢を合わせるだけで、野菜の甘みがぐっと引き立ちます。

慣れない海外生活に加え、外食はボリュームたっぷりのアメリカンな食事が中心。さらに出産や育児で慌ただしい毎日でしたが、麹があるだけで食卓が豊かになっていたように感じます。
「麹をどう取り入れたら良いのか分からない」
「難しそう」
と思う方もいるかもしれません。
私の1日の食事で簡単な取り入れ方の一例をご紹介します。
朝はごはんとお味噌汁、卵焼き、塩麹につけた簡単な浅漬け。納豆には醤油麹を添えます。
お昼には簡単にパンとスープとフルーツとヨーグルト。ヨーグルトには甘酒で甘味を足します。
夜ご飯は前日から塩麹につけておいたお肉をオーブンで焼くだけの簡単ごはん。サラダはオリーブオイルに塩麹と甘酒と酢でさっとあえるだけ。
かけるだけ、あえるだけでも美味しくなるのが麹の良いところなんです。

海外で暮らす私たち家族にとって、麹は日本の食文化とつながる存在でもありました。味噌汁の香りや、いつもの味付けにほっとした日も少なくありません。
アメリカでの7年間を通して再発見したのは、麹は和食のためだけの調味料ではないということです。
肉料理にも洋食にも自然になじみ、忙しい毎日の食事づくりを支えてくれる。そんな懐の深さこそ、麹の大きな魅力なのだと感じています。
これからも日々の食卓の中で、その魅力を楽しみながら伝えていきたいと思います。
