記事: 冬の後半、体と心に起こっていること
冬の後半、体と心に起こっていること

1月も後半に入り、
日差しは少しずつ明るくなってきました。
季節と体感の上では春に近づいているよう
に感じる日も多くなりますが、
体はまだ、冬の真ん中にいます。
「そろそろ動きたい気もする」
「でも、なんだか疲れやすい」
そんな気持ちと体のズレを感じる頃。
子どもも同じように、
日中は元気そうでも、夕方になると急にぐったりしたり、
理由もなく甘えたくなったり、眠りが浅くなったり。
それは心の弱さではなく、
冬の後半に体の内側で起きている自然な変化なのです。
ー 冬の後半、体の中で起きていること
東洋医学では、冬は「腎(じん)」を養う季節と考えます。
腎は、体を温める力や免疫、回復力、成長、
そして心の安定にも深く関わる、生命の土台。
冬の前半は、
寒さから身を守りながら、腎の力を保つ時期。
そして冬の後半になると、
その腎のエネルギーが、少しずつ使われ、減ってきます。
・長く続いた寒さ
・年末年始の疲れ
・生活リズムの変化
・気持ちの切り替えによる緊張
こうした積み重ねが、
体の奥にじわじわと影響してくるのです。

ー 冬後半に出やすいサインとは
・冷えが芯に入りやすい
手足だけでなく、お腹や腰の奥が冷える感じ。
温かくしているのに、なかなか温まらない感覚。
・気持ちが揺れやすい
理由もなく不安になる、
小さなことでイライラする、
子どもがいつもより甘えてくる。
腎は「恐れ」や「不安」ともつながっているため、
弱ると心も揺らぎやすくなります。
・眠りが浅くなる
寝つきが悪い、夜中に目が覚める、
朝すっきり起きられない。
子どもも、夜泣きや寝言が増えることがあります。
これらはすべて、
冬を一生懸命過ごしている体からのサイン。
「よくがんばってきたね」という合図でもあります。
冬後半に必要なのは
「守る」と「満たす」養生をすること
冬の前半は、
冷やさない・無理をしない・消耗させない「守る」養生が大切でした。
でも冬の後半は、守るだけでは足りなくなってきます。
ここからは、静かに、やさしく、満たしていくこと。
減ってきたエネルギーを、
少しずつ補ってあげる時期です。

ー 暮らしの中で、やさしく満たしていく
● あたためを“深く”する
表面だけでなく、体の奥まで届く温かさを。
・お腹や腰を意識して温める
・夜は湯船にゆっくり浸かる
・温かい飲み物をゆっくり飲む
「冷えないように」ではなく、
「満ちていくように」温めるイメージで行いましょう。
● 気を散らさない時間をつくる
予定を詰めすぎず、
一日の中に少しだけ“余白”を。
親子でお茶を飲む。
絵本を読む。
手をつないで深呼吸するようにゆっくり過ごしましょう。
安心する時間が、
腎と心を静かに満たしてくれます。
ー 台所から満たす、冬後半の養生ごはん
冬の後半の食事は、
「温・甘・やわらか」が合言葉。
強い刺激より、
体が「ほっ」とする味を選びましょう。
・具だくさんの味噌汁
→ 胃腸を休ませ、体の芯を温める一杯。
・大根や長芋のとろみ料理
→ 冷えやすい体に、やさしくしみ込む。
・さつまいもや小豆の自然な甘み
→ 消耗したエネルギーを穏やかに補う。
・白湯や番茶
→ 内側から巡りを助ける日常の養生。
特別なことをしなくても、
毎日のごはんが、体と心を少しずつ満たしてくれます。
冬の後半は、「そろそろがんばらなきゃ」と思いやすい時期。
でも本当は、がんばるより、満たすとき。
疲れを責めるのではなく、
「よくここまで来たね」と声をかけてあげる。
そうして満たされた体は、
春になったとき、自然に動き出します。
今はまだ、冬の途中。
焦らず、親子で静かに、
体と心を満たしていきましょう。
養生家 鈴
